芥川龍之介の

『蜘蛛の糸』を

思い出すような思い出があります。

中学時代だったか
私の家は港のそばにありました。


夜釣りが好きで

良く岸壁で釣りを
していました。


その日はあまり釣
れなくてみんな帰
ってしまった。

私は大型船が繋が
っている岸壁に移
って糸を垂らしていた。


以前とても大きな
鯛を釣った所。


明日は休み朝まで

頑張ってやれ。


かかった！


高い岸壁の海面を

覗いた瞬間に


私は落ちた。

洋服を着ている

長靴履いてる。

体は重く



沈んだ。


もがいて


顔出して


助けて！


誰もいない


船と岸壁の間で

私は溺れていた。

これで死ぬのか


そう思った時


蜘蛛の糸


いや


ロープが


降りて来た



大型船が波に揺ら

れて岸壁に近づい

てロープが海面ま

で垂れてくれたの

だった。


この一回のチャン

スに捕まった。


船はまた岸壁から

離れた。

ロープ真っ直ぐ張

ったままになって
、海面にはもう降

りなかった。


私は朝までロープ

にしがみついてい
た。

漁港の人に発見さ

れ助かった。

危機一髪


生還した。


生と死は紙一重


あの一回の大型船

を動かす大波のお

かげ。


あれが



蜘蛛の糸


だったんだと



思ったのです。





私は

いつの日か


恩返しに


蜘蛛の糸を


垂らして


あげようと思います。


必ず


約束します。




あなたかも



しれませんね。




合掌。