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生きる力になれば
by 星と地蔵
ふれあいの丘
14/01/26 03:29
《私が認知症になって行く過程を想像したミニ小説を作りました。》

横浜市の地下鉄ふれあいの丘駅から東200メートルの所に市民の憩いの場所がある。

公園、温水プール、銭湯、ミニ図書館、レストラン、宿泊施設、各種教室、演芸場、ゲートボール場等々。

私はいつも大きな木の下のベンチに腰掛け物思いにふけっている。



1人の美しい、品のある中年のご婦人が公園にやって来た。


つい見とれていた。

やっぱりいたのね

随分探したわよ。
と言って

私のベンチに
腰掛けた。

僕は相変わらず、
間が抜けている性格なので理解できないでいた。

思わず腰を右端にずらしていた。

そのご婦人は2人の空いたスペースにカバンから何やら出して広げた。


今朝あわてて作ったの、あなたの好きな、ちらし寿司、卵焼き、唐揚げ、あじのフライ、オムライス、チーズ、ワイン、魔法のように並べ出した。


ピクニックに来たようだ。

私はこの美しい女性が何故私の好きな物を知っているのだろうか?


不思議になって、聞きたくなった。

しかし、人ま違いでしたと帰られたら折角の好機を逃してしまうと思い、

合わせることにした。

遅かったね

随分待って
しまったけど、

君の手料理見て許してあげるよ。



彼女は微笑んで、
お馬鹿なあなたを
思うと、何か美味
しいもの食べさせ
たくなってしまう
の。


喜んでくれて
嬉しいわ

はい

と箸で卵焼きをつまんで口に持って来た。

思わずあたりを見回し、赤くなってくわえた。

美味しい!

良かった


愛してるて言って

またあたりを見回して、照れながら

愛しているよ

と囁いた。


2人は肩を寄り添

ってお互いの温も
りを感じていた。

春の風を少し感じながら。

安心仕切った彼女の横顔みているとこの夢よ覚めないで欲しいと願わずにいられなかった。



きっと私は

認知症なのだろう

2人が愛しあって

いるのは間違いな
い事実なんだ。


彼女に認知症にな
ったなどとそんな
事言えない。


この瞬間(とき)を
大事にしよう…。



夕陽が


二人を真っ赤に



染めていた。



あなたは


私の恋しい人に


違いない。


ここは



ふれあいの丘




なんだから。




終わり。


こうして、私の認知症が進んで行くのだろう。

時々ふとこの場面が懐かしく思い出せたら幸せです。

合掌



 




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