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生きる力になれば
by 星と地蔵
書道教師の使命
14/01/17 18:14
私は25歳から書道を趣味で初めました。

才能が開花して若くして書道師範、教師免許を取りました。

しかし、本業はテレビの制作、イベント興行、報道支局長等をしていたので生徒さんは持っていませんでした。

市の展覧会に作品を出展していた時の事でした。

その作品を観て感動された親子が私の自宅に突然来ました。

母親はこの小学生の娘を弟子にして下さいと懇願されました。
私は断ったのですが、娘さんを外に出して身の上話しをしました。

お母さんは末期ガンで病院を1日外出して来た事。

娘さんは生まれながらの耳が不自由な事、誰の言うことも聞かない

わがままな子になってしまった。

このままでは心配でと涙を流されました。

そして、私の一番弟子になりました。

3ヶ月後お母さんは亡くなりました。

お通夜に外で並んでいたら、彼女が出て来て私を引っ張るのです。

遺体の前に一緒に座って二人で合掌しました。

彼女はそれまで私の言うことも聞かないで勝手に書いて赤丸つけて帰る子でした。


お母さんが亡くなって気がついたようです。


お母さんの愛に気づいたのです。

それから、彼女は毎日通って来ては何時間も書き続けました。

卒業する時には全国一の賞状を持って来ました。


今は耳が不自由でもいかせる書道教師になっているようです。


お母さんとの約束を果たせました。

次は、今の老人施設での事です。

夜勤に廊下を歩いている小柄な着物姿の女性を発見しました。

夜中の2時過ぎに訪れる人もなし、

見かけない人だな。
徘徊者はパジャマですから、和服着て?

しかも古い時代の着物姿。

追いかけました。

あるユニットの中に入りました。

私も中に入りました。

奥の部屋に消えました。

私もその部屋に入りました。

姿が見えません。
寝ていた80過ぎのおばあさんが泣いていました。

話しを聞くと小さい時に両親を亡くし、遠い親戚に引き取られ育った話し。

そこには二人の姉妹がいていじめられた話し。

お習い事もさせて貰えなかった。

好きなお習字を習いたかった。

お母さんに会いたいと泣いていました。


私はその時初めて
書道教師と打ち明けました。

明日から教えてあげますよ。

それと、あなたのお母さんに会いましたよ。

小柄ですよ着物が似合う優しい方ですよ。

私がついて来るのを確認するようにこの部屋まで案内してくれました。
いつもそばにいてくれていますから、泣かないで下さいね。

翌日からおばあさんはこの年になって夢がかなうなんてと頑張って下さいました。

数年前に亡くなりました。

娘さんが後日来て母がお守りのように大事にしていた山と川のお手本をお棺に入れましたと報告されました。

確か、故郷の三重県の山と川を思い出したいからと、
頼まれたお手本でした。

今は全員に


書道を教えています。

使命を感じて。



合掌



 




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