美しい日本の私
13/08/30 05:38
川端康成はノーベル賞受賞時、スウェーデンのストックホルムで講演を行いました。
その題目が
『美しい日本の私』だといいます。
冒頭に
曹洞宗の開祖
道元の
「春は花 夏ほととぎす 秋は月
冬雪さえも涼しかりけり」
の歌を引用し、
中盤で
良寛の辞世の歌
「形見とて何か残さん春は花
夏ほととぎす秋はもみじ葉」
を引用したそうです。
「形見として何かを残しましょう。
春に美しく咲く花々、夏に美しい声で鳴くほととぎす、秋に美しく紅葉するもみじ、私の命はこの美しい自然だったのです」
良寛は自分の命が美しい日本の自然に帰っていくと表現した。
川端康成も日本の四季折々の自然美を語ったと言います。
昔の武士たちの辞世の句を調べた人がいました。
青年期は国家社会を語っているものが多く、
中年期は家族や家を語り、
晩年期は自然に帰ることを語っている句が多いようです。
それらを考えると
自分の生と死を、
日本の美しい自然にまかせ、
命はすべて自然へと帰っていく。
形見は美しい日本の自然としましょう!
昨日病院で入院患者専用の野菜や花を人工的に育てる電気製品が人気を呼んでいるとの記事を読みました。
何か『日本人の心』なんだと思いました。
合掌。
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